読んだので、軽く紹介と感想を書きました。
本の紹介
5〜6年とかソフトウェアエンジニアをやってきた、一般的にはシニアエンジニアとか言われてるっぽい人向けの本。
そろそろEM(エンジニアリングマネージャー)をやるのか?と考えたり、上司に「やってみないか?」と言われて考えているという人はぜひ読んだほうがいい。
本書は、スタッフエンジニアとはなにか?という説明と、スタッフエンジニアと呼ばれている人にインタビューした内容が書かれている。
日本人的には馴染みのない言葉でう〜ん?ってなると思いますが、 「スタッフ=社員」ととらえて一般社員のエンジニアという意味ではなく、スタッフには参謀といった意味があり、 エンジニアのリーダー とか 幹部の補佐役 みたいな感じの意味で使われてるようです。
シニアエンジニアからEM以外の道はどうしたらいいんだ…どういう道があるんだ… と悩んでいる人は、とりあえず第2部のインタビューを2,3個まず読んでから第1部のスタッフエンジニアとは?を読んだほうがスッと入ってくると思う。
感想
ここからは、自分が読んだ感想。
ちなみにEMに興味があって、そういう機会があるなら一回EMをやってみるのは個人的にオススメ(あくまでもやる気があって、興味があるならという話)
自分は過去にやってみたが、実際やってみて自分には合ってないなと感じて、普通のソフトウェアエンジニアの道を辿ることにした経験がある。
ただ、勘違いしないほうがいいのは、コードだけ書いていたいみたいな思いでICやスタッフエンジニアを目指しても到達はできないと思う(詳しくは本書を読めばわかると思う)
自分の解釈としては、スタッフエンジニアはEMとアプローチがちょっと違うだけで、事業やプロダクトや組織についてより良くするために行動するという点では同じと考えている。 EMはメンバーのピープルマネジメントや チームの力を最大化することで、事業やプロダクトや組織をより良くしていくアプローチをする人 で、例えばプロジェクトマネジメント、チームビルディング、時にはコードを書いたり、設計レビューしたりなんでもやるというケースが多いと思う。
スタッフエンジニアも別にチームの力を最大化するために何かやったりするはずで、 ピープルマネジメントが軸になってないだけで、 アプローチの仕方が違うだけ かなと思ってる。
自分は、EMに求められるピープルマネジメント(1on1は別にいいんだが、体調やメンタルを気にしたり、AさんとBさんが仲が悪いとかを考えてなんとかしたり、一緒に目標設定したり etc…)の部分がとても苦手で、このスキルを伸ばすことに興味を持てなかった。 1〜2人くらいなら頑張ればなんとかやれるかもしれないが、5〜10人とかになると脳のキャパを超えてしまう。 頑張れば〜というのを伸ばしていくという道もあるかもしれないが、それに興味を持てない理由として、自分がまだ 最強でないという自覚があり 、( 最強ってなんだ笑 )そんな状況で、チームで一緒にやっていくとはいえ、言葉はきついが実際のところ赤の他人同士である人の人生を背負うみたいな感覚が精神的に耐えられなさそうだった。
(あくまでも仕事と割り切れれば、いくらか精神的負担も減ったかもしれないが自分にはそれができなさそうだった)
もちろん、それが会社にとって最重要で必要なことみたいな時もあり、承知の上でやっていた時期もあるが自分がやらなくていいなら、やりたくないとCTOにもはっきり言った。
評価制度システムなどで「ソフトウェアエンジニアは技術を尖らせるだけではだめだが、じゃあどうすればいいんだ?EM以外の道ってあるんか???」という話を数年前にCTOとよく目標面談でしていた。
ワイ「評価制度のラダーとか定義はあるが実際何すればいいか何もわからん、 俺は今、この会社でやるべきだと思ったことをやる。それだけだ 」という感じの話をしていたような気がするのを思い出す。
弊社の採用が加速し、人もチームも増えきたタイミングでいつものCTOとの1on1で、自分はほぼ初期メンバーみたいな感じだったこともあり、会社のカルチャーや深いドメイン知識を持っているため、「カルチャーを体現してほしい」と言われてとても腑に落ちたのを覚えている。
1から10まで丁寧に物を教えたり、次はあれやって、これやってみたらどうかな?みたいな個人に最適化した線路を引いて導いたりするんじゃなくて、弊社のソフトウェアエンジニア代表として、こうあるべきということを体現し背中を見せていき特定の誰かではなく、新しく入ったメンバーや自分をロールモデルとしてくれているメンバーを導くということをやるべきなんだなと自覚した。
今の自分をスタッフエンジニアと呼べるのかは正直わからんけど、本書でスタッフエンジニアとはこういうことをやる人と書かれていたようなことを自分で考えていくつかやっていた自覚はあり、なんかわからないなりに手探りでやってたことが間違ってなかったんだな、という答え合わせができた感じがしてよかった。